老・四弦奏者のブログ

アラ古希のローテクMusicianのブログです

パソコン苦手世代は昭和の良き時代を感じます

機械ものに対して極端に苦手意識がある方々は確かに存在します。
それが老人に限らず若年層であっても同じです。
でも、現在の若者たちは就職すれば職種が何であれ、否応なしにPC操作から逃げられない環境に置かれますから、得手不得手はあっても「PC操作」はできるのです。
かく言う私の時代は、まずは趣味のワープロでした。
ワープロでキーボード操作に慣れ親しみ、表計算・文書作成・グラフィック描画などの操作を覚えて仕事に趣味に役立てました。
しかし大半の70歳代以上は、そもそもワープロも経験しなかったのでしょう。
そして彼らは昇進して上級管理職となり、PCでの複雑な仕事は現場の部下がするので、社内業務連絡をPCメールでやりとりする以外パソコンは使わないまま使えなくなったのです。
とは言え、リタイア後もPCを使用するケースはたくさん出てきます。
趣味サークル・同窓会の連絡・公的機関のHP閲覧と書式ダウンロード等々です。

私はあるきっかけで先輩に呼ばれて、ご自宅にお邪魔して4回驚きました。
驚き①:PC1台しかないのに無線LANルーター2台あり、どちらも電源が入っていた(それも約1年間)。
驚き②:苦手なはずのPCがあまりに高Specだった。
HDD1TBってそんなに必要?動画も見ないのにメモリ8GBって・・?BD-REディスクドライヴも?・・・。
驚き③:CANON複合機が既にあるのに、なぜもう一台HP複合機買ったの?
驚き④:電源コードがタコ足のタコ足のタコ足のタコ足でめちゃくちゃに絡まっていて、何がどれの電源なのか分からない。
そしてそれはPC周りのみならず、テレビとBDレコーダーまわり、J:comの機械周辺も同様でした。

上記①と②についてはその理由が分かりました。
先輩は、知ったかぶりなどしない穏やかで優しい人柄だけどPCに疎いので、某家電量販店に「パソコン良くわからないからお奨めのノートPCと複合プリンターを見繕ってください」と「丸投げ」したそうです。
その結果、過剰に大容量の1TBHDD8GBのメモリ、使いもしないBD-REディスクドライヴ付の東芝ダイナブックPT65PGX-BHADを買わされたわけです。
イメージ 1

そして、たぶん「無線接続しますか?」と聞かれたのでしょう。
先輩が今まで使っていて壊れてしまったデスクトップ型VAIOも無線接続していたので無線LANルーターは既にあるのにもかかわらず、意味も理解できないままもう1台買わされたのでした。
それらは、お店スタッフに自宅訪問してもらい、設置並びにPC設定もしてもらったそうです。
そのお店スタッフは、既に無線LANルーターがあるのを知った上でその横にもう1台を設置したのです。
素人を騙すのは訳ない、と、ほくそ笑んだでしょうね。ひどい店です。

③の複合プリンターの件は、CANONはまだ動くが、プリンタードライヴソフトが古すぎて新しいPCWindows10に対応していないためやむなくもう1台買ったそうです。
でも、なぜCANONじゃなくHPなのか?たぶん売れ残りをつかまされたのでしょう。

でもこのHP複合プリンターは背面給紙ができないため、このあとBrotherDCP-J4225Nを買うよう勧めました。
これなら厚紙印刷やA3コピーと印刷ができるので、同窓会サークルでの先輩の担当の仕事がやりやすくなります。
この複合プリンターは、お金があれば私も欲しいくらいです。

④については、改善前と改善後の写真画像をお見せしたかったのですが、先輩の名誉のためにやめておきます。
あまり細かく説明すると、先輩を中傷するみたいなので次の話題で終わりにします。

通信手段の話です。
近年は家の固定電話が無い家が増えました。
携帯電話で用が足りるからです。
そして、パソコンを持たない家も増えているそうです。
それは、ガラケーでなくスマホで用が足りるからです。
デジカメもプリンターも持たない家も増えています。
下手なデジカメより手軽で自由度の高いスマホで撮影できるし、撮った写真は街にある自動プリント機で印刷できるからです。

もはや音楽を聴くにもウォークマンはおろかiPodすら持っていない若者が増えました。
iPhoneスマホで全てできるからです。
先輩は、デジカメを1台も持っていない上、カメラなしガラケーを持っています。
奥様はカメラ付ガラケーを持っていますが写真を撮ったことは一回もないそうです。
だから、画像をメールで送る事などありえないのです。
ご夫婦とも、Docomoですが「たぶん」i-mode契約はしているらしいのですが、ショートメールしか使えません。

現在この先輩のPC相談役をしている私にとって、先輩ご夫婦との「通信手段」で悩んでいます。
相談①:「プリントしようとしてもプリンターがウンともスンとも言わなくなった」=印刷画面で、プリンターが選択されていないのが原因でした。
相談②:「メールで送られてきたワード書類が見つからない」=メール添付されたワードファイルをHDDに保存する方法を知らないのでメールのまま消さずにとっていたが、迷惑メールが多過ぎるのに消さないから肝心のメールがどこにあるか分からない。
先輩に送り主のアドレスを聞いたら、アドレス(メールの連絡先)に登録する方法が分からないからアドレスは知らないとのこと。
万事休すの中で、時間かけてなんとか探し出しました。

この2件とも、そのPC画面を携帯カメラで撮影して事前に送ってくれたら原因を特定しやすかったはずでした。
こう言った環境の中で、先輩に対するPCインストラクターとしての私の最初の仕事は、
1、電源周りをすっきり整理して、そのコードがどの機器のものか分かるようにする。
2、メールアドレス(連絡先)の作り方を教えながら数人の友人知人のアドレスを登録する(これもなかなか覚えてくれないので結構時間がかかる)。
3、そして、アドレスに登録した特定個人にメールを送る方法を教える。
4、送られてきたメールに添付されたファイルの保存の仕方を教える(何回も教えたが、まだ完全に覚えていただけない)。
5、新しいフォルダーの作り方と名前の付け方を教え(結構時間がかかった)、ドキュメントの中に○○関係・△△関係などの名前のフォルダーを作って整理することを教える。(奥様の方が先におぼえた)

というのがPC家庭教師歴約1ヶ月半過ぎた現状です。
エクセルとかワードを教える以前の問題です。

FAXもないし、PC画面を確認できるカメラ付携帯もないので、ショートメールでの「PCで困ってるから助けて」メールに対する援助手段は「ご自宅訪問」する他にないのが問題です。
できれば、カメラ付ガラケーを買うか、いっそ安いタブレット端末でも買ってくれると、その都度先輩宅まで行かずに済むケースが増えると思うのですが、そう言いながら先輩宅に伺って、その穏やかで優しい人柄に癒されている自分が「交流の時間」を楽しんでいるのも事実です。
PCスマホのおかげで、お互いが会わずに打合せや仕事のやり取りをするのが当たり前の現在に慣れてしまったので、このようなIT知識に疎い方(というか、なくても困らないほど興味がない方)との交流は、まるで「根回し」や「飲ミュニケーション」全盛だった昭和時代を思い出さざるを得ません。
やはり、人との交流は、会って話をする時間を共有することが大切なのだと実感した経験でした。

今週末は、先輩ご夫婦の約160枚の年賀状宛名印刷のやり方を教える(実際は教えるのではなく、私が印刷する)ことになっています。
終わったら「カラオケ大好き」な先輩誘って一杯飲みに行こうかなと思っています。
もちろん割り勘ですよ