老・四弦奏者のブログ

アラ古希のローテクMusicianのブログです

K.YairiギターShizuku

この文章は、201439日(日)のブログに、10日(月)の朝、追記したものです。
K.Yairiギターの社長、矢入 一男さんが、35日(水)にご逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げますと共に、心からご冥福をお祈り申し上げます。
 
いつも腕の中にあって、気が向いたらいつでも奏でられるギターが欲しかったのです。
若い頃は、楽器店をうろつくたびに、目についたミニギターを試奏しては一目惚れしたものを購入していました。
しかし、買ってはみたものの、しょせん衝動買いで廉価な代物ばかりでしたから、ピッチが安定しないとか、音が貧弱だとか、ハイポジではメチャクチャなフレット音痴だとか、そんなものばかりでした。
やはり、腕の中で末永く可愛がることができるのは少し高級なウクレレしかないと思っています。
そんな中で、2009楽器フェアで発表後、発売以来ずっと気になっていたギターがありました。
K.Yairi製のShizukuというコンパクトクラシックギターです。
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人気があるらしく、発売されるとすぐ売り切れになるので、店頭で見るチャンスがなかったのです。
2005年にFK90Cを購入した時お世話になった御茶ノ水の下倉楽器のアコギ担当Oさんに試奏を依頼したら、今品切中で通常なら次回納入が4月以降とのことでしたが、OさんはわざわざK.Yairiに直接掛け合ってくれて半ば強引に1本調達してくれたのです。
まいったな、これで試奏した結果気に入らなかったからと言って買わなかったらヒンシュクものだな、と思いつつ御茶ノ水まで試奏しに出かけて行きました。
結果、買うことになり、今日のお昼前に届きました。
このカテゴリーでは珍しい0フレット仕様です。
しかもナット、サドルともプラスティックではなく、本格的な牛骨です。
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MADE IN JAPANならず、GIFU JAPANが良いですね。日本製品は優秀です。
ペグはもちろんゴトー製です。
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私がK.Yairiを気に入っている最大の理由は、その木工技術の優秀さです。
ご覧のように、アングルヘッドでありながらネックとヘッドが継ぎ足しなしの一体加工で、廉価版のコンパクトギターであっても継ぎ足ししていません。
このおかげで、豊かなサスティーンが得られるのです。
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ネックはマホガニー、トップ面はスプルース単板、フィンガーボードとブリッジはローズウッド、ボディサイドはローズウッド合板、バックはローズウッド単板の3枚合わせです。
K.Yairiのサインは最初は鬱陶しかったのですが、今では信頼のシンボルです。
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弦長(Scale)は570mmで、バリトンウクレレやレキントギターより長いけど通常のクラシックギター650mmよりはかなり短い仕様です。
また、ナイロン弦仕様なのに、ナット幅が43mmと狭いため、一般的クラシックギターを弾く感覚とは全く異次元の世界です。
弾き始めは指が迷ってしまい、となりの弦やフレットをさわってしまいます。
ウクレレには、ソプラノ(短すぎて弾きにくいので私は持ってない)、コンサート、テナー、バリトンとありますが、それぞれをとっかえひっかえ弾いても指はついていけるのに、ギターだと慣れるのに時間がかかります。
指が慣れるまで、それはそれで楽しい試行錯誤の時間です。
まだ来たばかりなので、全てを語るのは早すぎますが、何と言ってもハイポジでも安定したピッチがとても心地よく、いつもそばにいて癒してくれそうで楽しみです。
これで、ナイロン弦兄弟が5台になりました。
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ちなみに、弦はK.Yairiのオリジナル仕様として、D’Addario EXP44 Extra Hardが張られています。
トラスロッドは内蔵されていませんので、テンションが強い弦への変更は好ましくないと思うのですが、K.Yairiの仕様として普通のクラシックナイロン弦のハードテンションでチューニングされているということなのでしょう。
とは言え、弦と本体の相性がベストではないような気がするので、少し弾きこなしたら弦を換えてみようと思います。
レキントギター弦に換えるかな、それともフロロカーボン弦の細い弦に換えるかな、などと、考えるだけで楽しくなります。