老・四弦奏者のブログ

アラ古希のローテクMusicianのブログです

ギターの種類と呼び方についての整理

僭越ですが、ギターについてのウンチクを、上から目線にならない程度に少々記述してみようと思います。
というのは、最近お会いした方や、マニアックなため人気のない私のブログにおいでいただく数少ないけどありがたい方々も含め、ギターの種類と呼称について、少し混乱して理解されているように思えたからです。
ということで、今回はいろいろな呼び方をされているギターの名称を、少しばかり整理して再確認したいと思います。
たぶん、一般的には私と同じ理解の方々が多いと思いますが、もともと日本人が勝手に作った「ライフライン」のような和製英語的な呼称で、アメリカでは使わない呼称もありますので、絶対と言うものではない事も付け加えておきます。
そもそもギターはもともとは外来語ですが、日本人がその種類を区別するために作り上げた日本製英語が混在していることを理解しておいた方が良いと思うのです。
つまり、ギターを取り巻く言葉とか表現は結構あいまいなのだと言う事をお含みおきください。
 
アコギ=アコースティックギターAcoustic Guitar の略称
通常はスティール弦仕様のものを称しています
同じ意味でよく使われる別称として、生ギター、フォークギター などがあります。
特徴:基本的に、増幅用のマイクに頼らず、中空のボディが弦の振動音を増幅して聴かせるタイプです。
 
エレアコ=エレクトリック・アコースティックギターElectric Acoustic Guitarの略称
特徴:生ギターのブリッジにピエゾピックアップ(圧電式マイク)を内蔵し、電気増幅してアンプに出力できるタイプです。
電源が必要ですので、9V006Pタイプ乾電池が使われています
サイド面にマイク用電電池(006P)の収納スペースがあって、電源スイッチとボリューム、トーンコントロール調整ノブなどが付けられています。
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基本は生ギターですから、電気増幅なしで、そのままでも使えます。
エレアコは、国内メーカーではタカミネが有名ですよね。
写真は、タカミネのエレアコPTU731です。
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クラシックギターClassic Guitar
特徴:ボディ内部は中空で、内蔵マイクに頼らないからアコギであり生ギターには違いないのですが、スティール弦ではなくガット(Gut:羊の腸)弦もしくはナイロン弦仕様です。しかしなぜか一般的にはアコギとか生ギターというとスティール弦仕様のものを指していて、クラシックギターのことはあまりそうは呼ばないようです。
2次世界大戦前は、クラシックギターの弦は全てガット弦を使用していたので、いまだにガットギターと呼ばれていますが、ガットの品不足とナイロン弦の品質が飛躍的に向上したことから、高価なうえに品質にばらつきがあって寿命が短いガット弦よりも、大量生産ができて品質にばらつきがないナイロン弦が現在は主流になっているようです。
また、ガット弦を張ったクラシックギターならばガットギターと呼んでもいいのですが、ガット弦を張ったソリッドエレクトリックギターもあるので、クラシックギターの同義語として使うのは少し違うと私は思います。
 
エレガット=エレクトリック・ガットギター:Electric Gut Guitar の略称
前述のガットギターと少し矛盾するのですが、ガット弦のみならずナイロン弦が張ってあるクラシックギターであっても、ピエゾピックアップを取付けて、ボリュームやトーンコントロールが可能なものをエレガットと呼んだりしているので、このあたりの呼称については結構あいまい且ついい加減なのが現状です。
エレガットは聞き慣れていますが、エレナイロンは?おかしいですよね、でも実際に張ってあるのはナイロン弦でガット弦ではないのですがね。
写真は私の「エレガット」アントニオ・サンチェスです。
今はナイロン弦を張っています。
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サイドには電池収納とサウンドコントロールスイッチのブロックが内蔵されています。
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セミアコセミ・アコースティックギターSemi Acoustic Guitar の略称
※実は、こんな呼び方は欧米ではしないので通用しないと思います。
特徴:弦振動を電気変換増幅することを前提としたエレクトリックギターの1カテゴリーで、ボディにはネックの延長上にセンターブロック(胴木)があって、その左右に空洞があるタイプです
ボディ厚みは生ギターより薄く、その薄さはソリッドギター並みです。
センターブロックがあるため、弦のテンションにも強く、剛性があるので、周波数特性が素直で高音域もサスティンも良く伸びます。
セミアコを含め、エレクトリックギターのギターマイク(ピックアップ:Pick upと言います)は、一般的に、圧電式マイクのピエゾではなく、磁石にコイルを巻いて金属弦振動を電気に変換するマグネットタイプ(Magnetic Pick up)が使用されます。
マグネティック・ピックアップは、ボディトップ面の弦の真下に取り付けますが、セミアコはボディにセンターブロックが内蔵されているため可能なのです。
私の所有するセミアコYAMAHA AEX520の写真です。
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ギターマイクの違いについて大雑把に表現すると、圧電型ピックアップが金属以外の振動も拾うのに対し、マグネティック・ピックアップは金属の振動しか拾わないということです。
写真はピエゾ・ピックアップの圧電素子がブリッジのサドルの下に埋め込まれるシーンです。
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フルアコフル・アコースティックギターFull Acoustic Guitar の略称
セミアコ同様に、こんな呼び方は欧米ではしないので通用しないと思います。
特徴:セミアコよりボディが厚く、ほとんどはセンターブロックがありません。
しかし、ネックがセットされたボディ内部への延長上に少し木材ブロックがついていて、これのおかげでボディトップ面の弦の真下にマグネティック・ピックアップがマウントできるようになっています。
ボディが厚いのでエレアコとよく混同されますが、エレアコと違ってフルアコサウンドホールがなく、代わりにボディトップ面にFホールと呼ばれる穴が左右に開いているのが特徴です。
昔、ジャズギターと言えばフルアコのことを意味していました。
私が若いころ、クレージーキャッツ植木等さんが演奏していたのを覚えています。
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これに対しエレアコは、マグネティック・ピックアップを取付けるための補強ブロックはボディトップ面の内部にはないので、ピックアップはブリッジのサドルの下に圧電素子をいれるピエゾが主流なのです。
ところで、ジャズギタリストと言えば、やはりウェス・モンゴメリーは外せないでしょう。
彼の愛器はまさしくGibsonフルアコです。
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エレキ=エレクトリックギター:Electric Guitarの略称 
※私はエレキという言葉が嫌いです
詳しく書くと長くなるので簡単に済ませます。
ソリッドギターSolid Guitar=ボディには空洞がなく、一般的には表(トップ)と裏(バック)2枚の板の合板ボディです。
ソリッドギターは、どれも必ずマグネティック・ピックアップがマウントされています。
トップ面に弦に向けて至近距離に取り付けられていて、6弦それぞれの真下にポールピース(棒状磁石)6つついているギターマイク(Pick up:ピックアップ)13個ついています。
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そう言えば大昔、テスコのソリッドギターにはピックアップが4個ついているものがありました。
セミアコフルアコについては前述ご参照ください。
6つの棒状磁石(ポールピース)にコイルを巻きけるための枠をボビンと言います。
ミシンのボビンと同じで、コイルを巻くためのパーツです。
ポールピースが61列についているピックアップはシングルボビンと呼び、2列ついているものはハムバッキングとかハムバッカーと呼びます。
これはシングルボビンピックアップ。
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これがハムバッキングピックアップです。なぜかダブルボビンとは呼ばないのです。
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写真の私のYAMAHA SJ500はフロント側(ネックに近い方)がハムバッカーで、リア側(ブリッジに近い方)がシングルボビンです。
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シングルボビンとハムバッカーの詳しい構造上の違いとサウンドの違いについては長くなるので、今回のエピソードに反響が多くて、ついでに私の気が向いたら次回コメントしてみようかと思います。
 
あれ?老・四弦奏者が、なんでエラそうに六弦ギターの説明をしてるんでしょうね?
 
 
おまけ画像
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