老・四弦奏者のブログ

アラ古希のローテクMusicianのブログです

戦前のお洒落な曲・花言葉の唄 演奏録音準備編

本題に入る前に、最近あった小話を先にひとつだけご披露します。
NHK朝ドラ「わろてんか」の1シーンで、登場人物の誰だったか二人が「指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲~ます」と言っていました。
私は聞き流していましたが、女房が鋭く反応し、「このドラマの舞台は大阪なのに関東弁で歌って変だ!」と批判したのです。

ちなみに、この「指切りげんまん」は昔のわらべ歌で口伝えに歌われたものだから楽譜は存在しないと思うにですがあえて譜面にしてみました。
まずは私の出身である東京で普通に歌われているバージョンです。
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わずか3つの音しか使われていないし、なんだか4/4拍子と3/4拍子が混じっていて音楽的には違和感満載ですが歌い継がれたわらべ歌はたいていこんなものでしょうかね。
異なる拍子が混在している曲と言えばBeatlesAll you need is LOVEを思い出しますね。

そしてこれが中2の途中まで大阪暮らしだった女房が主張する関西バージョンの「指切りげんまん」です。
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要するに「うそ」の「う」より「そ」の音の方が低いのが東京弁で高いほうが関西(大阪)弁なので、必然的に歌うメロディーラインも異なるというのです。
関西出身の女房だからこそ気が付いて突っ込みを入れた、というエピソードでした。

ごめんもう一つ何拍子だか分からない曲がありました。
「あんたがたどこさ」は2/4拍子と3/4拍子が混在しています。面白いですね。

というなが~い前振りはこれくらいにして今回のテーマに入ります。
戦前の秀逸かつお洒落な歌はたくさんありますが、歌いやすく演奏しやすい(私の演奏テクニック範囲で)曲を探した中で、次回は「花言葉の唄」を演ってみることにしました。
花言葉の唄」は1936年の曲で、作曲:池田不二男さん・作詞:西条八十さん、オリジナルは松平晃さんと伏見信子さんがデュエットで歌っていました。
これが松平晃さんと伏見信子さんバージョンです。

お金かけたくないから例によって楽譜をNet検索して、結構きちんとしたものを見つけました。
ハ長調でギターコードまで付記されています。
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しかし、このコードではオリジナルの松平晃さんと伏見信子さんがデュエットバージョンのコードとは大きく異なっていました。
そこで再検索し、加茂さくらさんとボニージャックスの競演をYouTubeで見つけ聴いたところ、失礼ながらオリジナルより素敵なアレンジなのですっかり気に入ってしまいました。
これが加茂さくらさんとボニージャックスバージョンです。

それからこれを何回も再生してベースラインを聴き取りコードを探して、多少私自身の独断的な判断も交えながら新たなギターコード入り譜面に書き換えてみました。
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突っ込みどころは何ヶ所もあって、それを論ずるとすごく長話になるからやめますが、最後の「あ~のひ~とに~」のコードのNet検索版は明らかに変なので、
CFC
G7FC
EmFC
のどれかにしようと思い、ピアニストの女房に何回もギター演奏して聴かせました。

すると、女房は、②が正解に最も近いけど何か違うというのです。
「あ~のひ~とに~」の「ひ」のラ(A)にはG7コードの構成音には含まれていないからFにしたのですが、「あ~のひ~とに~」の「ひ」の次の「~」の最初の音であるソ(G)はFコードの構成音にないので、その辺は全体の流れの中の「経過音」ということで目をつむり②のコード進行を採用したわけです。
しかし、女房が何度も首をかしげるので、もう一度YouTube加茂さくらさんバージョンを聴きまくり、歌に埋もれて聴きにくいベース音を拾ってみたら、「あ~のひ~とに~」のベースはGGCと弾いていたのが分かりました。

ということから、ギターコード④G7G7/9Cに最終変更することにしたわけです。
長い話でマニアック過ぎて面白くないテーマでしたね。ごめんなさい。
でも、この曲自体は今でも通用する素敵なメロディとお洒落な歌詞で、ものすごく気に入っているので近々多重録音する予定です。

最後に女房がボソッと言った一言は、「さ~いた~~ら」の「~~」の三連符は演歌っぽくて少しダサい・・でした。orz