老・四弦奏者のブログ

アラ古希のローテクMusicianのブログです

オーディオCD作成作業日記・後編

私こと老・四弦奏者の音楽人生の恩人である従兄「十田 敬三」のために、恩返しとしてきちんとした「十田敬三の音楽CD」を作成するというテーマの後編です。
 
前編では、アニメ「デビルマン」からEPレコードのA面「デビルマンのうた」とB面「今日もどこかでデビルマン」の2曲を加え、十田 敬三が歌ったテレビCMソング 全52曲のオーディオCD作成過程を書きました。
今回の後編では、十田敬三のMusician人生引退前の2年間に開催されたライヴ演奏会で一発録音されたJazzライヴ演奏音源 全13曲(メドレー3曲含む)のオーディオCD化の作業過程記録です。
 
従兄のAさんの希望で、CDの中の順番が時系列的には逆になりますが、収録内容は次の通りです。
1975119日:TAKE ONE CLUB録音会でのライヴ演奏 全9曲(メドレー3曲含む)
1974330日:東芝レコード録音会から抜粋の全4
 
どちらの録音も、当時の最高録音性能と機能を持った2トラック2チャンネルのオープンリールテープレコーダーで、テープスピードは38cm/secで録音されました。
録音テープの詳細は不明ですが、36μm厚みのテープで10号リールだとテープ長さが1100mで、片道のみ90分しか録音できません。
プロの録音なら36μmではなく、丈夫で信頼性の高い50μm厚みのものを使用したはずで、10号リールだとテープ長さが740mですから、これだと片道のみ60分しか録音できないのです。
テープが足りなくなって付け替える時間はないため、予備として、たぶん2台以上のテープレコーダーを使用したと思われます。
オープンリールテープの音質クオリティは、記録される磁性テープの記録トラック幅が広いほど、そしてテープ走行スピードが速いほど高くなります。
アナログテープレコーダーの規格はドイツのDINですが、その規格でテープ幅が6.35mmのものを使用したと考えられますが、そのクオリティは当時のアナログレコードのマスターテープとして使われるほどの高さでした。
 
このレコーダーで録音したにもかかわらず、1975119日:TAKE ONE CLUB録音会でのライヴ演奏の音源が、いくら元テープからPCmp3に変換されてデータ化されたとしてもあまりにも音質クオリティが低く、楽器とヴォーカルのバランスも音像定位も悪く、ど素人が録音したとしか考えられないひどい出来でした。
理由は従兄のAさんから説明されて分かりました。
一般のJazzマニアたちが大勢集まった中で開催されたライヴ録音会で、それぞれがまちまちに持ち寄ったマイクロフォンがたくさん乱立する中で、誰もマイクアレンジせずに録音されたからでした。
たぶん録音マニアたちが持参したテープレコーダーもたくさんあって、それぞれのレコーダーにはステレオ録音のために左右チャンネル用に2本のマイクを使ったはずです。
 
反面、もう一つの音源の、1974330日:東芝レコード録音会の抜粋4曲の録音状態は、やや低音がブーミー気味ですが、楽器であるピアノ・ウッドベース・ドラムスという鈴木宏昌アノトリオと、十田敬三のヴォーカルの音像バランスも音圧バランスも「まとも」でした。
その理由もAさんの説明で大いに納得しました。
だって、マイクアレンジはあの行方洋一さん自らがセッティングしたから当然の結果です。
プロでもない私ごときが「まとも」なんて失礼なこと言ってしまいました、行方さんごめんなさい。
 
いずれにせよ、前半のCMソング集52曲を、長~いmp3ファイルからひとつひとつ曲データを取り出して整音し、音楽情報を入力した手間の多さと作業時間に比べれば、今回の作業は曲数が少ないだけ楽と言えば楽でした。
 
実は最終的にCD化する時に迷ってしまうことがあり、重要な最終決断をせざるを得なくなりました。

前半でやった仕事のデビルマン2曲とCMソング集52曲は再生時間が約44分で、wavファイル容量が447MB、今回のJazz生録音の全13曲は再生時間約50分、wavファイル容量503.1MBです。
合わせて950MBの容量では容量700MBのCD-R 1枚には当然ながら全部は収録できません。
そこで、CD2枚に分けることにして、せっかく作る十田 敬三オリジナルCDですからCDジャケットもCD本体への印刷も現役時代のカッコいい写真画像を使おうと思ったのです。
しかし、従兄のAさんは「昔の写真はミスで全部紛失した」とのことで、結局この1枚だけを使い回せざるを得なくなりました。
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確かにこれはJazz音源ならピッタリの写真ですが、デビルマンCMソング音源にはちょっと似合わないと思います。
せっかくの十田 敬三のプロのMusicianとしての記録ですから、JazzもアニメソングもCMソングも歌える幅広いSingerであることをCDジャケットとCD本体への印刷画像で表現したかったのですが・・・残念です。
 
そこで、決断しました。mp3 CD形式でディスクを作成することにしたのです。
 
もともとAさんからもらったのはwmaファイルとmp3ファイルの音源データでした。
それなら一般的CDプレーヤーで再生できるようにとわざわざwavファイル変換する必要もないし、wavにしたからといって音質クオリティが向上するわけでもない、と考え直したのです。
これらをきちんと曲別に分けてそれぞれを整音作業した楽曲データを合計しても、全再生時間こそ94分ですが、データ容量はわずか129.7MBなので、これなら1枚のCD-Rに記録可能です。
もちろん通常のオーディオCDとしては記録できませんが、mp3 CDという規格で1枚のCD-Rに記録することにしたわけです。
それに、Aさんはたしか普段はBOSEのCDプレーヤーでCD観賞しているので、これならmp3 CDを再生できると思ったからです
CD書き込みソフトはもちろんiTunesです。 

1、せっかく作成したwavファイルの楽曲データを、全てmp3ファイルに変換し直し、全ての曲をAさんの希望通りに並べ替えてプレイリストを作りました。
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2、これを、画面上のメニューバーのファイルからプルダウンメニューを開き、「プレイリストからディスクを作成」を選びます。
ちなみにブランクのCD-Rのトレイ挿入は、この前でも後でも構いません。
「空のCDを入れてください」と表示されます。
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3、そして出てきた「ディスク作成設定」画面で、「ディスクフォーマット」のMP3 CD(M)にチェックを入れて「ディスクを作成」ボタンをクリックします。
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すると、データ容量が軽いからあっという間に作成完了となりました。
65曲、約94分、データ容量129.7MBでした。
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完成したmp3 CDは、最新のCDラジカセやミニコンポ、そして車載ナビ一体型CDプレーヤーなどでは再生可能ですが、低単価のCDラジカセは再生できません。
これは東芝製の少し古い型の安価なCDラジカセの取説の一部です。
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一応、私の自宅の居間にあるミニコンポでは再生可能であることを確認しました。
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しかし、ブルーレイレコーダーではmp3 CDは再生できません。
これは私に自宅居間にあるPanasonicDIGAの取説での再生可能CDディスクの説明文です。
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そもそも、今回実施した私の最初の仕事は、一般CDプレーヤーとテレビ録画用ブルーレイレコーダーのどの機種でも聴けるようにするためだけの目的で、元データのwmamp3ファイルをwavに変換したことでした。
テレビ録画用ブルーレイレコーダーはとても便利な機械です。
ほとんどの家はそれほど広くなく、立派なコンポステレオで大きな音が出せないのが現状です。
しかし、最近では薄型テレビとサラウンドシステムなど大きな音でなくても高品位な音楽鑑賞用機器を備えている家庭が増えています。
ブルーレイレコーダーはすでに活用している人も多いと思いますが、CD-DA形式で記録されたオーディオCDCD-RもしくはCD-RW)も再生可能ですので、その再生音をテレビ用音響システムで楽しめるのです。
活用しない手はありません。
しかし、今回結論として完成形としたmp3 CDは、残念ですがブルーレイレコーダーでは再生できません。
取説には「mp3 CDは再生できない」とは書いてなかったので無理やりトレイに入れたらこんな画面が出ました。
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話が長くなりました。
以上の紆余曲折の結果、最終完成版としてmp3 CDの形式で作り、「十田 敬三」こと従兄のAさんに送ったオーディオディスク題名は、十田 敬三さん自ら「十田 敬三 SONG BOOK」と名付けられました。
そのディスクとCDジャケットの外観はご覧の通りです。
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そして、従兄のAさんからきつく言われています。
十田 敬三は引退しましたが、デビルマンのうたも、CMソングもスポンサーが絡んでおり、また、Jazz録音音源もプロの鈴木宏昌トリオの商権も絡むので、YouTubeアップは絶対にしないようにとのことですので、せっかく苦労して完成したmp3 CDの曲をお聴かせできませんことをお断りするとともにお詫びします。
もったいないなぁ・・
 
実は、私が十田 敬三のテーマでこんなブログを書いていることも無許可ですが、この程度なら許してもらえると思っています。