老・四弦奏者のブログ

アラ古希のローテクMusicianのブログです

新しい愛人候補・リトルマーチン

先日テレビを見ていたら、ユーミンが最近のライヴ予告らしい映像で「ひこうき雲」を歌っていました。
私は聞き流してはいたものの、何となくキーが低いなあ・・と感じていました。

その数日後、女房が都心に住む娘のところに泊まりに行ったときに同じシーンに出くわしたとのことでした。
その時、娘はその映像を見た瞬間「短三音低い!」と言ったそうです。
さらに、「これではもはや原曲のひこうき雲とは別の曲だ!」と酷評?したそうです。
そりゃあユーミンだっていつまでも若くないし(私より4歳年下)年とれば高い声も出なくなるのはしかないだろうと同情する気持ちがあったので、娘の酷評(プロの歌手に対しての)はわかるような気がする反面、ユーミンを擁護したい気持ちも少しあります。
とはいえ、やはり短三度低い「ひこうき雲」は、我々は原曲を知っているからこそ本人が歌うと大きな違和感があります。
ユーミンは日本女性歌手として最高のレコード・CD売り上げ枚数を誇るMusicianですが、やはり加齢には逆らえないのでしょうね。

短三度低い=音楽をきちんと習った方には説明不要ですが、少しうんちく垂れてみようと思います。
そもそも「ひこうき雲」の原曲KeyE♭(変ホ長調)ですが、最近見たテレビではCハ長調)だったのです。
E♭とCは、ピアノ鍵盤でいうと黒鍵を一つ含む三度差です。
ギターでいうと、3フレットの差です。
当たり前すぎて、それが何だ?という話ですが、私なら「あれ?Keyが低すぎるな?」と言ってすぐギターでKey確認し、次にユーミンCDを再生した音に合わせてギターでオリジナルKeyを確認して、初めて「3フレット低い」とわかるのですが、娘は聴いて瞬時に「単三度低い!」と言ったのが凄すぎて私とは全く比較にはなりませんという話です。
私のは相対音感、娘のは絶対音感という違いですが、その能力にはものすごい格差があります。
それって本当に凄いと思うのですが、それが何かの役に立つのか?高収入になる特殊能力なのか?と言われると・・・それは疑問です。
娘もそれは分かり過ぎるほど分かっているようで、プロのMusician並みの知識と感性と技能があるのに収入が決して高くない別の仕事をしている娘が不憫な気がした・・という親バカエピソードでした。

という長くて面白くない前振りはこのくらいにして本題です。
過去ブログ「パーラーギターは愛人の香りがする」⇒ https://blogs.yahoo.co.jp/old_4stringsplayer/55306928.htmlをご参照ください。

小ぶりなギター=トラベラーギターやパーラーギターは、一見可愛くていとおしい少女(愛人?)のような気がして、おかげで私の若いころの道楽でさんざん衝動買いをしました。
しかし今までの経験でこれら小ぶりなギターは、ミディアムスケールもしくはスタンダードスケールギターに比べ、演奏性もサウンドも著しく劣るので楽器として使い物にならず、結局ハードオフ中古楽器買取店に売り飛ばしていました。
だから、今2本持っている小ぶりなギターはこれが最後だと割り切っていたはずなのですが・・・・。

またまた新しい「愛人」に出会ってしまったのです。
それはリトルマーチンというショートスケールアコギです。
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私の正妻=K.ヤイリFK-90Cのスケールは645mmなのに対し、リトルマーチンは約60mm短い584.2mm23inch)です。
一般的にショートスケールは24inch609.6mm)なのでさらに短いのです。

まあこの手の小ぶりなギターは、過去数本買ってはすぐ飽きて弾かなくなり手放すという歴史を繰り返してきました。
小ぶりなギターには小悪魔的な魅力があります。
コケティッシュでインモラルっぽくて、演奏性やサウンドの良し悪しを確認する余裕もなく、一目惚れしていきなり抱きしめたくなるのです。
小ぶりなギターが愛人だと思うのは、私のこういう思考からです。
だから、4年前に買ったK.ヤイリのShizuku(しずく=ショートスケールナイロン弦ギター)を最後にしたかったのですが・・・。
この画像は正妻のK.ヤイリFK-90CとShizukuのツーショットです。
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リトルマーチンとの出会いは、数週間前に某ららぽーと内にある楽器店店頭でぶらぶら眺めていたときでした。
「ねえねえ、カッコいいお爺さん、私を弾いてみない」と誘ってくるギターが展示してあったのです。
しかたねえな、じゃあ1曲だけだぞ!と思い、お店スタッフにお願いして試奏させていただきました。
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ショートスケールギターにありがちな「チープ=貧弱な音」「サスティーンが効かない」「解放弦の音が最悪」「ペグがガタついて弦チューニングがしにくい」「ハイポジに行くにしたがってフレット音痴になる」「23弦にデッドポイントがある」「全体的に音が小さい」「そもそもネックのグリップ感が悪く弾きにくい」これらの半分以上は当てはまると思っていました。
ところが、と~んでもない こりゃフツーに「本物のギター」でした。
まるで何年も前から私のコレクションギターだったような一体感を感じるギターでした。
サウンドに力があり、単音弾きでも輪郭がはっきりした音がするし、フィンガーピッキングでも音のばらつきがないし、ブギーを刻んでもしっかりブルース感があるし、何といってもハイポジでの音程ズレがないのがサイコーです。

結局このお店で1曲だけじゃなく10曲以上弾きまくっていたら、別行動していた女房が来て「遅いから見に来たけど又ギター買うの!」と怒られました。

リトルマーチンには3種類ほどありますが、この時試奏したのはLXMという型番でした。
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帰宅後に早速Net検索したら、ピエゾピックアップ内蔵でエレアコ仕様のLXMEもあることが分かりました。
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さてこれからが問題です。
こいつが欲しいけど、何かを手放さないと資金が足りないのと、女房を説得する必要があるからです。
1本増やすなら1減らすという約束)

ということで、断腸の思いで、K.ヤイリのShizukuを下取りに出してリトルマーチンLXMEを最も安く買える店を探すことにしました。
どなたかK.ヤイリのShizukuを買ってくれる方がいれば助かるんだけどなあ・・・。

ちなみに、リトルマーチンLXMEは私の正妻K.ヤイリFK-90C1/3の価格です。

過去ブログをご参照ください。

「ショートスケールギターは使い物になるか」サウンド比較⇒ https://blogs.yahoo.co.jp/old_4stringsplayer/55909813.html